チェジュ島サイクリングに行ってきました♪その③
二日目。
前夜食べ過ぎましたが、せっかくなのでホテルの朝食を。自分で卵を焼いて皿も自分で洗って片付ける、なんだか新鮮です。
他の人のプレートを見ると、目玉焼きとハム、野菜までしっかりダブルのトーストで挟んで立派なサンドイッチ。私のは何だかぎこちないトーストになってしまいました。
この宿に泊まっている人たちは西洋や東南アジアはもちろん、西アジア方面らしき家族づれもいる無国籍な雰囲気。日常の暮らしから離れてここまでやって来たという感覚が旅の醍醐味の一つです。
朝9時過ぎ、城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)を目指して出発。今日から本格的なサイクリングです。
済州島の目玉の一つと言える城山日出峰は、10万年前に火山の噴火で出来た巨大岩山。世界遺産の一つです。その美しい風景を求めて出発しました。
まず、市街地では片側三車線のルート1132を走行。サイクリングルートを示すブルーラインは歩道に引かれていましたが、今日は片道60キロ以上の移動距離、できれば城山日出峰からフェリーで牛島(ウド)まで行って帰ってきたい。
その距離と時間を考えると、歩道ばかりを走っていられません。車道を走らねば、車道を。
いまだ右側通行に違和感を持ちながらも、早くのどかな海辺の道に抜けたくてしょうがありません。
海岸方向に脇道が見えると、ブルーラインもそちらへ寄り道を誘導しています。そこから待っていた風景が…!!
海岸沿いに、禾浦、ピョルラン浦、新村浦、朝天港、チョンジュ港、北村浦…いくつもの浦や小さな港を巡ります。
そこかしこに防波堤、灯台があり、海女さんの脱衣場もあり。のどかな海を眺めながら、の〜んびり走りました。思わずイヤッホ〜っ!です。
途中、反時計回り方向に進んでくるサイクリスト達と何度かすれ違いました。本当は反時計回り方向の方が、海を右手に見て走るので都合が良いのです。逆回りは私だけだったかもしれません。
ちなみに道路脇はガードレールではなく、岩。すぐ下は海。手放しでふざけていたら落ちるんじゃないか?とさえ思いますが、そんなこと誰も気にしないんでしょう。
波打ち際を横目に見ながら、ズ〜っとポタリング。
お気に入りの曲を聴きながら、海のそよ風を受けて走る…絶頂です!
岩場に降りて、眺められる場所もありました。
防波堤には必ず釣り人がポツンと。日本みたいに釣り人がひしめいていないのがいいです。
韓国自体がおしゃれカフェ、インスタ映えのネタが多いのですが、ここ済州島はリゾート地ですから、素敵なカフェも数多くあります。
今回は走って無事目的地に到達することに精一杯でしたので、あまり寄れませんでしたが、金寧イェッ灯台の近くのNEMO STORYにお邪魔しました。
ここは事前にKakao mapのカメラで、休憩ポイントとして眺めも良さそうだと押さえていたカフェです。
これからダイビングのレッスンに出かけるという店員さんにケーキとドリンクを注文。いつ昼飯が食べられるかわからなかったので、燃料補給しました。
番犬のワンちゃんは人や車が通りかかる度に、一生懸命吠えていましたが、私には懐いてくれました。
の〜んびり、このままここでワンちゃんと日向ぼっこしていたいのですが、思ったより進み具合が遅く、途中で写真や動画を撮っていたりで随分と時間をロスしてしまったようです。
このペースでは宿に戻るのが夜になってしまう…
とりあえず往きは急ぎ、海沿いを離れてルート1132へ復帰。ケイデンスを上げて城山港のフェリーターミナルへ急ぎました。
あれ?どこがターミナル?
近くの交番?海上保安庁?に駆け込んで場所を尋ねます。
屈強なお兄さんに「フェリー」とか「シップ」とか適当に言っても通じません。それもそのはず「フェリー」は韓国語で「ペリ」。カタカナ語も似ているようで似ていない。通じるようで通じない。近くて遠い国、それが韓国です。
周りの客は韓国人か中国人。この時おそらく日本人は私一人。考えてみれば、済州島は日本にとっての沖縄みたいな特別なリゾート地。観光客も韓国人が多いのは当たり前です。
韓国アカウントのインスタグラムを見ていると、このフェリーにお洒落なサイクリスト達がグループで乗っていたりするのですが、この時のサイクリストは残念ながら私だけだったようです。
フェリーで15分で到着。牛島(ウド)は6平方キロの小さな島。エメラルドグリーンの海に囲まれ、「連理の枝」「イルマーレ」のロケ地で有名です。観光を除けば、島の人々の集落は沖縄のさとうきびばたけに似ていて、本当にのどかな島です。
この時の気温、GPSデータでは25℃。それは誤差があったとしても、予報より温かくて気持ちのいい午後になりました。
しかし、あまりゆっくりはしていられません。「ペリ」で城山港に戻ると、すぐにあのスポットを探しに出ました。特に目印のない場所なので、ガーミンではなくスマホアプリ「NAVERマップ」で探り当てたピンポイント。
そのスポットとは…吾照浦口(オソポグ)。ドラマ「空港に行く道」の舞台となったここ。
そして、窓から、美しい城山日出峰を眺めるソ・ドウ(イ・サンユン)のアトリエ。
中に入ると、屋根が抜け落ちていたり半壊の状態でしたが、ドラマの素敵なシーンを振り返りすっかり黄昏てしまいました。
皆さんも機会がありましたら、「空港に行く道」ぜひ見てください。
城山日出峰に到達したことで、この旅の使命は50%達成下も同然。あとは往きで省いた海岸線を隈なく辿りながら、宿までノートラブルで夜までに無事戻れるか…
しかし、流石に11月、西に位置する済州島も日の入りが迫り、暗くなってきました。市街地までの道のりが長いこと長いこと。
そして通勤ラッシュにさしかかり、車道脇は危険なため、ブルーラインの引かれた歩道も厭わず走りました。
暗くなってしまうと朝に見たはずの風景もわけわからなくなるものです。ゴール目前で、一瞬道に迷い、スマホのバッテリーも1%。韓国語も喋れないのに、高校生を捕まえてドタバタ道を訊いてしまう始末でした。
距離にして130キロそこそこ。でも疲労は200キロの気分。思わず「死ぬ〜」と独りごちてしまいました。
あまりに疲れすぎて、夜はご飯食べに外出する気力もなくなりましたが、それじゃせっかくの旅が勿体無い。ブラブラ歩いて、こじんまりした食堂でミョルチククス(いりこ出汁スープの温麺)をいただきました。
続く…(ヴェロテン)